売上を上げなければ、会社が潰れてしまう…。
売上を上げられれば、会社は潰れない…。
売上がすべてを癒してくれる…。
このように「売上によって会社のすべてが決まる!」と勘違いしている人がたくさんいます。しかし実は、売上というものは会社の生存には何も関係ありません。
売上が上がったからといって、会社が潰れないとは限らないのです。
このことを明確に分かっていないと、売上は上がったのになぜか苦しくなったり、売上を上げるために本来すべきでないことをしたりしてしまうのです。
そしてその結果、倒産にいたってしまう人が多いのです。
よって今回の記事では、会社が潰れる本当の原因と、売上の正体について解説していきたいと思います。
この記事を読むことにより、会社が潰れる原因が分かるので、あなたが会社を潰すことはなくなるし、売上を上げるために本来すべきでないこともしないようになります。
目次
売上の高さと会社が潰れることには、直接的な因果関係があるのか?
あなたは売上の高さと会社が潰れることに、直接的な因果関係があると思いますか? 売上がなければ、会社は潰れてしまうと思っていますか?
実は、会社が潰れることと売上との間には、直接的な関係は何もありません。売上があっても会社は潰れるし、売上がなくても会社は潰れません。
分からない人にはちょっと意味不明だと思いますが、分かる人にはこの時点で、「うん。そうだよね。」となるはずです。「うん。そうだよね。」となった人は時間の無駄ですので、他の記事を読まれるか、仕事に戻られるかしてください。
少しでも意味不明だと思った方は、会社を生存させるための、もっとも大事なことを知らないという証拠ですので、しっかりとこの記事を読み込んでください。
それではまずは、売上と会社の倒産の間には直接的な関係はないということを、実例を混ぜて解説していきましょう。
そもそも、「売上が取れれば、会社は倒産しない」と勘違いしている人がいますが、それは本当のことでしょうか? また、これは逆に言うと「売上が取れなければ、会社は倒産する」ということですが、これは本当のことでしょうか?
いえ、まったく違います。売上がどれだけたくさん取れても会社が倒産してしまうことがありますし、売上がまったく取れなくても会社が倒産しないことがあります。
多くの経営者の方が、会社が潰れそうになった時になぜか売上を上げようとしますが、売上を上げたからといって会社が倒産をまぬがれることができるのかというと、それはありえません。
その証拠に、あのダイエーは総額売上高6兆円で倒産しています。また、すでに復活していますが、数年前にアメリカのGM(ジェネラル・モーターズ)は、総額売上高20兆円で倒産したのです。
- ダイエー:総額売上高6兆円で「倒産」
- アメリカのGM:総額売上高20兆円で「倒産」
もし、「売上を上げること」と「倒産しない」という2点が関係あるのなら、これほどの売上を上げていた2社が倒産することなど、どう考えてもありえない話です。
また、過疎地の田舎に入っていくと、売上をほとんど上げてないようなおばちゃんがやっている食堂が、倒産もせずにほぼ永遠に存在していますが、これも売上と倒産することが関係あるのなら、どう考えてもあり得ない話なのです。
なぜならあんな立地では、売上などほとんど上がらないからです。
これらがいったい何を意味するのかと言うと、「売上の高さ」と「会社が倒産すること」との間には、直接的な因果関係は何もないということなのです。
もし関係があるのなら、ダイエーやGEが潰れて、過疎地の食堂が潰れない理由を説明できないのです。
売上が高くても倒産するし、売上が低くても倒産しないということは、倒産と売上高との間には因果関係がないと言えるのです。
会社が潰れる本当の原因をあなたは知っていますか?
では、売上と倒産との間には何の因果関係もないとすると、会社が潰れる本当の原因とはいったい何でしょうか?
実は、会社が潰れる原因には2つあります。この2つさえクリアできれば、あなたの会社が潰れることはありません。この2つの潰れる原因さえクリアしてしまえば、倒産することはないのです。
つまり、この2つさえクリアすれば、会社を永遠に生存させることができるということです。他のことをする必要はありません。この2つさえクリアできれば、何百年でも何千年でも会社を存続させることができるのです。
ここでは、その1つ目だけを解説したいと思います。
では、会社が潰れる原因の1つ目はいったい何かというと、経費が荒利益高を上回った時です。経費が荒利益高を上回った時点で、会社というものは潰れるのです(*前期の利益の補填などは除く)。また、これは逆に言うと、経費が荒利益高を下回った時点で、会社というものは永遠に生存することができるということなのです。
たったこれだけのことです。「えっ? これだけ?」と思った方も多いのではないでしょうか。もちろんもう1つの条件もあるのですが、基本的にはこれだけなのです。
これさえ守ることができれば、あなたが会社を倒産させることは絶対にないし、何百年でも何千年でも会社を存続させることができるのです。
たったこれだけのことなのです。ただ単に、「経費 ≦ 荒利益高」という構図を守るだけのことなのです。それなのに、いったいどうしてミスをしてしまうのでしょうか?
もし、会社が潰れる原因が何百個もあるのなら許せます。しかし、会社が潰れる原因というのは、基本はこの1つなのです。この構図さえ守ることができれば、会社が潰れることはないのです。
売上を上げるための販促など、絶対にしてはいけない!
会社が潰れる原因というのはさきほど解説してきたように、経費が荒利益高を上回った時であるのにも関わらず、なぜかこのことを知らないのか、それともすっかり忘れてしまったのか知りませんが、本当に訳の分からないことをし始めてしまうのです。
その最たるものが、売上を上げるための販促です。売上を上げるためだけに、高いお金を払って販促をしてしまうのです。
そしてその結果、思っていたような売上は取れないくせにお客だけはたくさん来て、そのせいで余計に忙しくなって販売コストがかかり、最終的にはまったく荒利益高が残っていないという愚かな状態におちいってしまうのです。
売上をいくら上げても利益が残らないのなら、それはただの徒労にしか過ぎません。
もし100万円の売上を上げても、原価を払った残りのお金を経費で使ってしまったらお金が残りませんよね。こんなものは無駄な努力と言うのです。こういうのを徒労と言うのです。
これをするくらいなら、そのお金を銀行に預けて、毎日テレビでも見て過ごした方が健康にもいいし、リターンも高いのです。やってもやってもお金が残らないビジネスなど疲れるだけだから、やらない方がマシなのです。
そもそもの話、売上というのは、荒利益を得るためのただの手段にしか過ぎません。
それなのに、その手段である売上を上げるために、もともとの目的であった荒利益から経費という名のもとでお金を使ってしまうのです。その結果、お金が無くなって荒利益よりも経費が多いという愚かな構図になり、最終的には潰れていってしまうのです。
会社が潰れる原因は、先ほども言ったように経費が荒利益高を上回った時だけです。この構図さえ壊さなければ、どれだけ売上が低くても会社が潰れることはありません。
それなのに、そのままにしておけば生存できたものを、妙なコンサルタントの口車に乗せられて売上を上げようとしたせいで、その分の販促費や販売コストがかかり、経費が荒利益高をオーバーする構図になり、潰れていってしまうのです。
会社が生存できるか、潰れてしまうかの決め手は売上の高さではありません。経費が荒利益高を下回っているか、そうでないかだけなのです。
その額の大きさは関係ありません。荒利益高が1円でも、経費が0円なら、会社は永遠に存在することができるのです。
だから、会社が潰れないようにするためには、売上を上げることを考えるのではなく、何としてでも、経費が荒利益を下回るようにすることなのです。それさえできれば、倒産することありません。
潰れかかっている会社の経営者が最初にするべきこととは?
そうすると潰れかかっている会社の経営者が最初にするべきこととは、売上を上げることではありません。
潰れないために経営者が最初にするべきことは、以下の2点なのです。
- 荒利益高を上げること
- 経費を下げること
この2つをおこなえば、経費が荒利益高を下回ることが確実にできるのです。そして、会社の倒産から逃れることができるのです。
これこそが正しい方法なのに、なぜか有名な会計事務所までもが会社の生存のためにしなければならないこととして、以下の2点を挙げているのです。
- 売上を上げること(間違い!)
- 経費を下げること(正解!)
要するに、間違ったことを教えてしまっているということです。経費を下げることは正しいですが、「売上を上げること」という部分は間違っています。
こんなことを教えるからこそ、売上を上げるための販促のために経費を使い、その経費が荒利益高を上回ってしまい、生存するための構図を壊してしまうのです。
これは、実際にやったことがないのに、会計に詳しい人間が会計でしかモノを見ていないから、このような間違ったことを教えてしまうのです。
会計士や税理士は、会計上のプロではありますが、経営やビジネスのプロではありません。
だから、本物を勉強している会計士さんや税理士さんに当たらないと、訳の分からないアドバイスをもらって終わってしまうのです。そうならないためにも、あなたが本物の勉強をしないとダメなのです。
そんなことは置いておいて、じゃあ、「荒利益高を上げること」と「経費を下げること」のいったいどちらがいいのでしょうか?
これは、技術的な問題と早さから考えて「経費を下げること」なのです。
よく「会社を生存させるためには、荒利益を上げるか、経費を下げるかです。」ということを知ると、なぜか「じゃあ、荒利益を上げます!」と言う人が多いのですが、荒利益を上げることは、はっきり言って相当むずかしいです(もちろん、方法はたくさんありますが…)。
なぜなら、自力でやることが非常に難しいからです。
そう思いませんか? 荒利益高とは、そもそも売上を取ることによって獲得できるモノですよね? もし最初からそれができるのなら、もうすでにやっていますよね。
それができていないから困っているわけであり、そう考えると、荒利益高を上げる対策を打つことは得策ではないのです。
しかしこのように言うと、「いや、原価を下げれば良いんだ!」と思う方がおられますが、そんなことをしてはいけません。原価を下げれば商品の質が下がります。商品の質が下がれば、お客はバカではないのですぐに分かります。
その結果、売上は余計に下がっていってしまうのです。よって、荒利益高を上げようとすることは、どうせやってもできないし、できたとしても、結局、それがのちの売上を下げることになります。
だからこそ、最初は割り切って、経費を下げることを選択するべきなのです。荒利益を上げることや売上を上げることよりも、経費を下げることこそが生存するための、たった1つの道なのです。
経費を下げることさえできれば、生存する条件を作ることができます。そして結果的に、それに伴って利益が出せるようになってきます。その利益が生み出すキャッシュフローで、お客が欲しい資産を買えば、売上は勝手に上がるようになってくるのです。
Bizdomでは何度も言っていますが、売上というものは、努力して上げるものではありません。売上というものは、お客の欲しい資産を持つことによって、勝手に上がっていくものなのです。(このことが分からない方は、以下の参考記事を参照してください。)
経費を下げて利益を出し、そこから発生するお金で、お客が欲しがる資産を買うという構図を持った時点で、あなたは勝ちです。一気に仕事が楽しくなってきます。「楽しすぎて、寝るのがもったいない!」という領域に達するのです。
その領域に達するためには、第一歩目として「経費を下げる」ということなのです。
このように、論理的に考えれば最初に何をするべきかが分かるのに「どっちもありです。」という訳の分からないことを教えたり、「いや、売上を上げなきゃダメなのです!」という間違ったことを教える方が本当に多いのです。
そして、挙げ句の果てには「信じれば叶う!」とか「念じれば実現する!」という完全なオカルトを指導し始める人もたくさんいるので、この世の中は本当に困ったものです。
また、それにだまされて信じて失敗してしまう人も多すぎるのです。
本物を勉強しなければ、成功することはありません。論理に裏付けられたものでビジネスをしなければ、ビジネスで成功することはできないのです。だから、あなたにも本物を学んでほしいのです。
最後に…
会社が潰れる本当の原因を、あなたは理解できたでしょうか?
会社が潰れることと売上の高さの間には、まったくの因果関係などないということが、あなたには理解できたでしょうか?
会社が潰れるかどうかを決定するのは、荒利益高と経費の関係だけです。それ以外には何もありません。荒利益が経費を上回ることによってしか、会社は存続することはできません。
そして、この条件を満たすための方法としては以下の2つがあります。
- 荒利益を上げること
- 経費を下げること
この2つの選択肢しかないのですが、荒利益を上げることはほぼ自力ではできないことで、経営が厳しい状態ではむずかしいので、経費を下げることによってこの条件を満たしていくのです。
これさえできれば、会社が潰れない条件を満たすことができるうえに利益も出始めるので、成功する軌道にのることができるのです。
ちなみに「経費を下げること」というのは、成功する軌道にのる第一歩目ですが、その方法については正しい方法がいくつもあります。
その方法については、今後、このBizdomでも解説していきたいと思いますが、一番影響力のあるものを1つだけ、簡単に紹介しておきましょう。
その、一番大きく経費を下げる方法というのは、不要な売上を落とすことです。つまり、売上を下げることが経費を下げる一番の方法なのです。
もちろん、この方法についてはちゃんと勉強しなければいけませんが、これができれば会社は潰れないし、利益もバクバクと出始めて成長していくことができるのです。
実際に、私の師匠がこれを指導して伸びた会社はほぼ100%です。伸び率に違いはありますが、伸びなかった会社はほぼありません。売上を落とすことによって経費が一気に下がり、利益が出るのです。
こうやって言っても「え~っ?」というふうに、信じることができない人が多いので、実際に有名な企業が復活した時におこなったことを、次回の記事で解説していくことにしましょう。