JALの再建から学ぶ|利益を上げるための正しい方法とは?

2015-11-15

 約 9 分

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利益上げる方法

会社が潰れかかっているが、どう手を打てばいいのか分からない…。

利益が下がったから、売上を上げなければならない…。

利益を出した方がいいのは分かるが、利益の出し方が分からない…。

売上をどれだけ上げても、荒利益が経費を上回らなければ会社は倒産します。また、売上をどれだけ上げても、利益を出さなければ、会社が成長することは一生ありません。なぜなら、成長に必要なお金が得られないからです。

そうすると、生存と成長に関係するものというのは、利益だということが分かります(厳密に言えば、キャッシュフローなのですが)。よって、ビジネスを生存させるためにも、成長させるためにも、利益が必要になってくるのです。

そこで今回の記事では、利益を出す正しい方法について、JALの再建方法を見ながら解説していきたいと思います。また、この記事を読む前に、参考にして頂きたい記事があります。

利益を上げるためには、売上を上げなければいけない?

「利益を上げるためには売上を上げなければいけない。」

このように思っている経営者が非常にたくさんいます。そして世の中のコンサルタントも、「利益が出ない時こそ、売上を上げよう!」というふうに、教えている人が多いのです。

しかし、これは間違いです。売上を上げても利益が上がるとは限りません。

なぜか日本では、利益が出ない時の対策として売上を上げる対策を取りますが、こんなものは論理的に考えて、明らかにおかしいことです。ただの問題点のすりかえなのです。

当たり前のことですが、利益が出ない時の対策とは、利益を出すための対策です。利益を出すためには、利益を出すための対策を講じなければならないのに、なぜか急に、売上を上げる対策に変わってしまう人が多いのです。

もちろん売上というものは、利益を上げるための手段ですので、売上が上がるにこしたことはありません。しかし、それには条件があります。その条件とは、かけた費用を回収できる売上を取れる時だけなのです。

それができなければ、利益が上がることなどあり得ません。そして残念なことに、今の時代はどれだけ売上を上げようと思っても、売上が上がらない時代に突入しているのです。だから、かけた費用を回収できる売上が取れるのは難しいのです。

こういうことを言うと、「そんなマイナス思考ではダメだ!」と、またオカルトまがいの話に入っていく人がいるのですが、売上が上がる理由にプラス思考など関係ありません。

その証拠に、あなたはプラス思考なのに、思った以上に売上が上がっていないじゃないですか。

このように、今の時代は売上が上がらない時代になっているのにも関わらず、そんなことも知らないで、売上を上げる対策と称して販促費を使ってしまうのです。

そしてその結果、さらに利益を減らしてしまうのです。

利益が出ない時の対策というのは、利益を出すための対策です。決して、売上を上げる対策ではありません。別にやりたければやってもいいですが、お金をかけて売上を上げる対策をしても、結局はそのお金を回収することすらできませんから。

おそらく、あなたにも経験があるのではないでしょうか? 「売れると思ってお金を払って販促をしたけど、全然売れない…」という経験があるのではないでしょうか?

もちろんやり方もおかしいのでしょうが、そもそも売上が上がりにくい時代になっているということに早く気がついてください。

利益を出すためには、売上を上げる対策ではなくて、利益を出す対策をしていきましょう。

利益を出す対策とは何でしょうか?

利益を出す対策として売上を上げる対策はやるべきではないと解説しましたが、じゃあ、利益を出す対策とはいったい何なのでしょうか?

それは、経費を下げることです。

利益を出す対策として以下の2つがあります。

  1. 荒利益高を上げること
  2. 経費を下げること

1に関しては、以前の記事でも説明したように、荒利益高というのは売上に付随するものであり、そもそも上げることがむずかしいのです。

そこで、まずは経費を下げることがやるべき対策になります。経費を下げることによって、利益を出していく対策をしていくことなのです。

では、どのような方法で経費というのは下げることができるのでしょうか?

この経費を下げる方法というものはいくつもあるのですが、この記事では長くなってしまうので、すべては解説しません。今後、更新される記事において、いくつか紹介していくつもりです。

今回の記事では、経費を下げて利益を出す方法で、一番効果があり、最も影響力のある方法について解説していきましょう。

では、その一番効果があって影響力のある方法とはいったい何かと言うと、前回の記事のでも少し触れましたが、不要な売上高を放棄することなのです。つまり、売上を下げることなのです。

意味が分かりませんか?

分かりやすく言うと、利益を上げられていないような売上はすべて放棄するということです。あるいは、コストばかりがかかって、それほどの売上高を生み出していない売上をすべて放棄することです。

これらをおこなうことによって、売上高というのは確実に下がります。絶対に売上は下がるのです。しかしそれと同時に、利益も出るようになります。これこそが、利益を出す一番効果のある方法です。

おそらく、これを言っただけではあまり信じることができない人が多いと思うので、このやり方を使って復活した企業について説明しましょう。その企業こそが、JALなのです。

JALの再建方法とはいったいどういうものだったか?

2010年の3月期に、JALは破綻しました。しかし、2012年9月には再上場を果たしたのです。つまり、JALはたった2年と半年で完璧な再建を果たしたということです。

では、どのような再建方法だったのかというと、決して売上を上げる対策ではありません。以下のような対策を取り、再建したのです。

  1. 不採用路線を廃止すること
  2. 保有機数を7機種から4機種に減らすこと
  3. 従業員の削減すること

大きく分けて、この3つをおこなうことによって再建を果たしたのです。

これらの項目だけを見ると、売上が実際にどうなったのかということは書かれていませんが、コトの本質はこういうことです。

1.不採算路線を廃止すること

まずは、”不採算路線を廃止すること” についてです。

不採算路線を廃止するということは、赤字の路線を廃止したということですが、この廃止した不採算路線でも、それなりの売上は取れていました。それなりの売上が取れていたからこそ、これまで廃止されていなかったのです。

しかし、この路線が廃止されました。これがどういうことを意味するのかというと、赤字の路線を廃止することによって、今まで取れていた売上も、同時にすべて放棄したということになるのです。

2.保有基数を7機種から4機種に減らすこと

次に、”保有機数を7機種から4機種に減らすこと” についてですが、これは今まで取れていた3機種分の売上をすべて放棄したということを意味するのです。

いったいこれは、何のためにでしょうか?

もちろん「利益を出すため」です。利益を出すためにこそ、わざわざ取れていた売上を放棄したのです。要らない売上を放棄することによって、今までそれにかかっていたコストがなくなり、利益が爆発的に上がるのです。

だからこそ、わざわざ売上を放棄したのです。

言っている意味は分かりますよね。

要らない売上は放棄するのです。その結果、間違いなく売上は下がります。しかし、それにかかっていたコストは大幅に下がるから、利益が一気に吹き出すのです。

これこそが利益を出すための正しい方法です。

3.従業員を削減すること

最後は、”従業員を削減すること” ですが、1と2で解説したようにさまざまなことをやめたのですから、それに必要だった「人」がいらなくなります。だからこそ、従業員を削減したのです。

要らない売上、つまり利益が発生しない売上を放棄することで、経営にとって最も重要な利益を出す手を打ち、JALは再建することができたのです。

このように、要らない売上を放棄する、つまり売上を下げるという決断ができないのが、伸びない経営者の特徴です。伸びない経営者は、「売上」という呪縛からどうしても逃れられません。

なぜなら、世の中のコンサルタントから「売上がすべてだ!」と教えられたからです。

そして結果として、意味のない売上にずっとしがみついてしまうのです。そして気がついたら、何の利益も残らずに潰れていくという間違った構図になっているのです。

そもそも、JALが再建した時におこなった3つについて考えてみてください。

  1. 不採用路線を廃止すること
  2. 保有機数を減らすこと
  3. 従業員の削減をすること

この3つのどこかに売上を上げる内容がありますか?

売上を上げることなど、一切していませんよね。再建方法の内容は、すべてが削減なのです。削減をするからこそ、利益を出せる構図が作れるのです。

もちろん、JALの再建でおこなったことはこの3つだけではありませんが、利益を出す対策がが売上を上げることではないということが分かるはずです。

たった2年と半年で、再上場まで果たしたJALがおこなった手術がこれです。ということは、利益を出す対策としてこのようなやり方が正しいことなど一目瞭然なのです。

もちろん、利益を出す方法はこれだけではありません。もっと数多く存在します。しかし、これが一番影響力が強く、決断がむずかしいことなので解説しておきました。

また、当然のことですがこの考え方を知ったからといって、利益を上げる対策が成功するわけではありません。

具体的にどうやってそれを発見するのか、どういうやり方でそれを選択するのかは、学ばなければできるわけがないのです。つまりこれは、ちゃんと学ばなければ非常にむずかしいものだということです。

今回の記事で紹介したのは、具体的な方法ではなくて根本的な考え方です。だから、ちゃんとした方法も学ばずに、考え方だけでやってしまうと大失敗します。

よって、実際にやろうとする場合はちゃんとした方法を学んでからにしてください。

最後に…

利益を上げるための本当の対策が分かったでしょうか? 今まで「売上、売上」と言っていたあなたにとっては、意外ではなかったでしょうか?

要らない売上は放棄します。経営者みずからの意志で、売上を下げる決断をするのです。この決断さえできれば、あなたの会社の利益は出るようになります。

この記事によって「利益を上げるためには、売上を上げなければならない」という考えが間違いだったということが分かったでしょうか?

もちろん会社の状況にもよりますが、ほとんどの場合は今回説明してきたようなやり方で、利益を一気に吹き出させることができるのです。

この考え方を知り、より具体的な方法論を知って決断できれば、利益が上がることは間違いありません。ビジネスで成功する方法というのは、本当に実在するのです。

あとは、あなたがそれを知るために学び、その通りに実行するかということにかかっています。もし、あなたが本気で伸びたいと思っているのなら、こういった本物の知識をより深く学ぶことをおすすめします。

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