いい経営者とはなんだろうか…。いい経営者になるためにはどうすればいいのか…。
せっかくならいい経営者になりたい…。いい経営者として、みんなに認められたい…。
おれはいい経営者になるんだ…。私はいい経営者になるんだ…。
このようなことを思う方がたくさんいると思います。そして、このように考える経営者のもとで働く社員は幸せです。
なぜなら、そうやって経営者が突き詰めてくれれば、いい会社になることは間違いないからです。そしてその結果、お客も社員も幸せになるからです。
ただし、その「いい経営者」というのが何か知らないと、それを実現することなどできません。
「いい経営者が何か?」という定義を知らなければ、どうすればいい経営者になれるのかも分からないのです。
そこで今回の記事では、「いい経営者とはいったいなにか?」ということを最初に解説し、次に、いい経営者になるための方法について解説したいと思います。
目次
いい経営者の条件とは?|経営の意味から論理的に考える
あなたにとっての「いい経営者の条件」とは、いったい何でしょうか?
なにか思い浮かびますか?
- 「決断力がある」
- 「リーダーシップがある」
- 「プラス思考である」
- 「素直である」
いい経営者の条件について、以上のようなことが世の中ではさまざまな意見が交わされています。また、そういった内容が書かれた書籍もたくさん販売されています。
もちろん人格的な話で考えてみると、さまざまな意見が飛び交うと思いますが、ここではより論理的な視点で「いい経営者の条件」について考えてみましょう。
いい経営者の条件の前に、「経営」の正しい意味を確認しよう!
さて、いい経営者の条件を話す前に、確認しておかなければならないことがあります。
それは「経営」の正しい意味です。
いい経営者についての話をするのに、その経営の正しい意味を知らないと、いい経営者の条件が分かるはずがありません。だからまずは、経営の正しい意味をここで明確にしておきましょう。
経営の正しい意味とは、”継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動”です。
具体的な内容については、ここでは解説しませんが、もしこれが分からないようでは先に進めないので、まずは経営の正しい意味についての記事を確認してください。(詳しくはこちらで|【問題です!】経営の正しい意味をあなたは答えられますか?)
さて、経営の正しい意味とは、”継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動のこと”です。だとすると、いい経営者の条件というものは、カンタンです。
経営の正しい意味が、”継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動のこと”ですから、いい経営者の条件というのは、継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動がうまくできる人のことを言うのです。
つまり、お金を作ることが上手い、言い換えると、儲けるのが上手い人ということです。
この継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動をうまくできること、つまり儲けることが上手いことが、いい経営者になるための最低限の条件なのです。
これができなければ、どんなに人格が高い経営者でも、どんなに人間性が素晴らしくても、いい経営者になることはできません。
「いい経営者の考え方!」や「いい経営者の人間性!」「いい経営者の人格!」という宗教的なものをいくら追求しても、いい経営者にはなれません。
経営の仕組みと活動を作るのが下手くそな経営者、つまり、儲けることが下手くそな経営者は、いつまで経ってもいい経営者になることができないのです。
「いや、違う!! それは違うんだ!! 経営者の人間性、人格が大事なんだ!」と思った方もいると思うのですが、それは本当のことでしょうか?
あなたはどちらの経営者が、いい経営者だと思いますか?
たとえば、素晴らしい人間性、素晴らしい人格をもった経営者がいるとします。
しかし、継続した「投資」と「回収」の仕組み、つまり経営の仕組みを作ることが下手くそで、お金を儲けることができないとします。
そのせいで、社員には少ししか給料が払えず、ボーナスも払えず、サービス残業ばかりをさせて、会社も潰れかけているとします。
一方、普通の人間性や人格しかもっていない経営者ですが、”継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動”を作ることがとても上手く、お金をガッポリと儲け、その儲けたお金を社員に給料としてたくさん払い、ボーナスもふんだんに払って、サービス残業もしなくていいほどの経営をしているとします。
どちらが素晴らしい経営者でしょうか? また、一般の人間はどちらの会社に入りたいと思うでしょうか?
あえて言うまでもないことですよね。もちろんですが、後者の方が素晴らしい経営者です。そして、後者の会社の方が、一般人が入りたいと思う会社です。
この例で理解できると思いますが、「人間性」や「人格」という曖昧なものは、いい経営者の条件としては、あってもなくてもどちらでもいいものなのです。あるにこしたことはないが、別になくても良いのです。
しかし、継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動がうまくできるということは、いい経営者の条件としては、最低限必要なものになってくるのです。
だから、いい経営者の条件として絶対に必要なものは、人間性でもなく人格でもなく、「投資」と「回収」の仕組みとその活動がうまくできること、つまり、お金を儲けることができることなのです。
この、経営者にとって最低限であり、一番重要である ”お金を儲ける”ことができていないのにも関わらず、人格や人間性を鍛えて、いい経営者になろうとしてもなれるわけがありません。
経営者の人格や人間性というのは、「お金を儲けて経営をうまくおこなう」という最低限の条件をクリアした時にはじめて考えられ、話されるべきことなのです。
それなのに、赤字を垂れ流したり、社員にまともに給料をあげていない会社の経営者ほど、こういった「人格」とか「人間性」とか「考え方」などという訳の分からない、奇妙なところに入っていってしまうのです。
経営という仕組みを上手くできないからこそ、現実逃避としてそっち系の勉強に走ってしまうのです。しかし、そんな「人格」や「人間性」や「考え方」をいくら勉強しても、いい経営者の最低限の条件というのは、一生満たすことはできません。
実際に、世の中に存在している会社の7割以上が赤字企業です。つまり、7割以上の企業の経営者が、いい経営者としての最低限条件を満たせていないという現実なのです。
だから、あなたが自分の人間性や人格を強化するヒマがあるのなら、経営活動を円滑にするために、お客にとってどのような商品がいいのか、どのような販売方法がいいのか、どのようなビジネスをすればいいのかということを考え、調査し、勉強するべきなのです。
いい経営者の条件は、人格でも人間性でもありません。
極論を言うと、人格や人間性というものは人生にとって必要なものであって、ビジネスに必要なものではありません。なぜなら、もし人格や人間性があっても、会社が儲けられない時点で赤字になり、ビジネスは終わっていくのですから。
あなたの社員や部下は、「お前の人間力を上げる前に、給料上げろよ!」と思っているはずです。
だから、経営者の人格や性格や人間性などの向上に入っていくのは、継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動である経営が円滑にいくようになってからの話なのです。
つまり、人格や人間性というのは、いい経営者としての最低限の条件を満たした時にはじめて、勉強するべきことなのです。
社員にたいした給料もあげられず、ボーナスもあげられず、サービス残業と称して働かせ、それで「経営者の人格」「経営者の人間性」「経営理念」「社会貢献」などといったことを勉強するのは、笑止千万です。
あなたが本当にいい経営者になりたいのなら、まずはいい経営者の最低限の条件である、継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動、つまり、経営をより円滑におこなうことが先です。
そして、これがちゃんとできた時に初めて、人間性や人格の勉強をすればいいのです。
最後に:経営者、起業家らしくしてください!
当然のことですが、経営の正しい意味が分かれば、いい経営者の条件も分かります。
経営の正しい意味から論理的に考えると、いい経営者とは、継続した「投資」「回収」の仕組みとその活動がうまくできる人のことを言います。
これができなければ、どれだけ人格や人間性が良くてもいい経営者とは言えません。なぜなら、どれだけそのようなものがあっても、経営は上手くいかないからです。
「人格や人間性は不要だ!」と言っているのではありません。
あった方が良いに決まっています。しかし、「そんなものを鍛える前に、もっと経営者としてやるべきことがあるでしょ?」ということなのです。
経営をより円滑にできようになった後、つまり、経営者として最低限やっておかなければならないことをした後に、人格や人間性を上げるようにしていけばいい話なのです。
あなたはお坊さんではありません。お坊さんなら人格や人間性を極めればいいですが、あなたは経営者なのです。だったら、経営者らしく「投資」「回収」の仕組みとその活動を上手くおこなうための勉強と行動をしなければならないのです。
良い人格を持った経営者になる前に、社員もお客も喜ぶためにやるべきことをやりましょう。それが経営という活動です。そして、それができた時にはじめて、あなたの好きな勉強をしてください。
そもそもの話、ちゃんとした経営活動ができていれば、あなたがそんな人格の勉強などしなくても、周りからは「いい経営者だ!」と思われます。つまり、経営の活動がうまくいっている時点で、周りからは良い経営者として評価されるということです。
だから、経営者として人格や人間性などという難しいことを考える前に、経営という活動を成功させることを考えましょう。
これで今回の記事は終わりですが、今回解説したことが理解できれば、経営者や起業家が本当にやらなければならない仕事が何かも分かるはずです。
それについては、こちらの記事(経営者や起業家がやるべきたった1つの仕事とは何か?)で解説します。