売れなくなった時こそ販促を…。
売上が下がったなら、起死回生の販促を…。
下がった売上は販促して上げよう…。
このように、今まで上がっていた売上が下がり始めると、なぜか心配になって「こういう時こそ販促だー!」と考える人が多いです。
しかし、売上が下がった時に販促をしても、売上が上がることはありません。むしろ、そんな時に販促をしてしまうと、売上はどんどん下がってしまいます。
よって、売れなくなった時の対策として、販促はしてはいけないのです。
では、どうしてそのようなことが言えるのでしょうか?
今回の記事では、その理由について解説したいと思います。また、「いつ販促をするのがベストなタイミングなのか?」ということについても解説していきたいと思います。
販促の正しい意味を知っておきましょう
あなたは売上高が下がったり、上がらなくなった時にどのような対策を考えますか? 販促でしょうか?
売れなくなった時の対策として、なぜか販促を選択する経営者が多いのですが、販促という売上を上げる対策は、売上が下がった時には絶対にやってはいけない対策です。
ところが、世の中のコンサルタントは「売れなくなったら販促を!」や「売れなくなった時こそ、起死回生の販促をしよう!」と、あなたに間違ったことを教えてしまうのです。
そして、それをいつもどおりに鵜呑みにして、わざわざお金を払って間違ったことをして、失敗してしまう経営者や起業家が多いのです。
では、どうして売上が下がった時の対策として、販促は間違っているのかということを説明しましょう。
そのためにはまず、販促の正しい意味から解説していきたいと思います。
前回の記事をしっかりと読み込んでくれた方にとっては繰り返しになりますが、復習がてら飛ばさずに読んでください。また、まだ読んでいない方は前回の記事を確認するようにしてください。(前回の記事:【問題です!】販促の正しい意味をあなたは答えられますか?)
それでは販促の正しい意味ですが、そもそも販促という言葉は、アメリカのビジネス用語であるセールスプロモーション、いわゆる、SP(=Sales Promotion)という言葉を日本語に訳したものです。
実は、この言葉を訳す際に大きな間違いが起こりました。それが誤訳です。アメリカのビジネス用語が間違えて訳されてしまったのです。
そして、その最たるものがセールスプロモーション、つまり日本語で言うところの販促(=販売促進)なのです。
では、セールスプロモーションという言葉がどのように間違えて訳されたのかと言うと、「セールス」という言葉を「売ること」と訳し、「プロモーション」という言葉を「促進すること」と訳したのです。
要するに、セールスプロモーションを「売ることを促進すること」と訳してしまったのです。だからこそ日本では、セールスプロモーションが「売るための技術」というふうに認識されているのです。
しかしこれは、大きな間違いです。そもそも、SP(=Sales Promotion)というのは、セールスプロモーションではありません。
SPとは、セールスポイントプロモーション(=Sales Point Promotion)のことなのです。つまり、わが社のセールスポイント(=良いところ)をプロモウト(=促進)する活動のことをSP、日本語で言うと、販売促進と言ったのです。
これがセールスプロモーションの正しい考え方なのです。
そうすると、セールスプロモーションの正しい意味とは「わが社の良さ(=セールスポイント)を過不足なく伝達する行為」ということになるのです。
これがどういうことを意味するのかと言うと、あなたの会社やあなたのビジネスに良いところ、つまりセールスポイントがなければ、そもそも販促はやってはいけないのです。
販促の正しい意味が、わが社の「良さ」を過不足なく伝達する行為ですから、その「良さ」が無ければ販促などできるわけがないのです。これが、販促の正しい意味から分かることなのです。
そうすると、販促をするにはまず、あなたのビジネスの「良さ」を見つけることから始まります。もし、その「良さ」がない場合はその「良さ」を作るところから始まるのです。
そしてこの「良さ」というのは、あなたが思う「良さ」ではありません。自分がどれだけ良いと思っていても、お客がそれを「良い」と思わなければ、何も意味がないのです。
以上が、販促の正しい意味から分かる重要なことなのです。これを知ると、「売れなくなった時には販促を!」という言葉のどこかがおかしいということが、少し分かってくるはずです。
売れなくなった時は、絶対に販促をしてはいけない!
では、どうして売れなくなった時は、絶対に販促をしてはいけないのでしょうか?
今まで売れていたけど売れなくなり始めた途端に、「販促をしよう!」と考える人が多いのですが、それは絶対にやってはいけません。
その理由は分かりますか?
簡単ですよね。あなたは販促の正しい意味を知ったのですから、こんなものは簡単に分かるはずです。
そもそも「今まで売れていたけどそれが売れなくなった。」ということは、いったいどういうことか分かりますか?
あなたには、「今まで順調に売れていたのだけれども、それが急に売れなくなった」ということがいったいどういうことを意味しているのか分かりますか?
決して、あなたの売る技術が劣っているのではありません。売り方が下手だからではないのです。なぜなら今まで売れていたのですから。それらに問題はないはずなのです。
だとしたら、いったい何に問題があって売れなくなったのでしょうか?
その答えは1つです。あなたのビジネスやあなたの会社に、お客にとっての「良さ」が欠落してしまったからです。「良さ」がなくなってしまったのです。
つまり、お客があなたのところで「買いたい!」と思わなくなったことが、売れなくなった最大の理由なのです。そして、お客が「買いたい!」と思わなくなった理由というのは3つあります。
- お客が欲しい商品がなくなっているから
- お客の買える価格になっていないから
- あなたの周りに、お客にとってより良いものが出てきたから
どちらにしろ、あなたの会社やあなたのビジネスに、お客にとっての「良さ」というものがなくなり、売れなくなっているのです。
じゃあ、このような状態の時に販促をしたら、どうなると思いますか?
お客にとっての「良さ」が無くなって売れなくなった時、つまりお客にとって魅力的でない状態になった時に、販促をするとどうなると思いますか?
当然、その魅力的でない状態をより多くのお客に知らせることになりますよね。
そうすると、どうなるか分かりますか?
当たり前のことですが、もっと売れなくなります。お客にとっての「良さ」がない状態で販促をし、それをより多くのお客に知らしめてしまうと、もっと売れなくなるのは当たり前のことなのです。
よって、売れなくなった時には、絶対に販促をしてはいけません。
だから、世の中のコンサルタントが言う「売れなくなった時こそ販促を!」や「売上が下がった時こそ販促を!」という言葉は間違いだと言えるのです。
これが事実であるのにも関わらず、口ばかりがうまい妙なコンサルタントにだまされて、高い販促費とコンサル代を支払い、販促をしてしまうのが失敗する経営者や起業家なのです。
高いお金を払って、お客に自分の会社や自分のビジネスの悪いところをお知らせして、いったいどうするのでしょうか?
販促した結果、売上は思ったように上がらないし、そのうえ、販促費とコンサル代を払ってしまっているから、利益を圧迫してしまうのです。
その結果、売上を根本から上げるために最も必要な資産を買うお金がなくなってしまい、売上が上がらない負のスパイラルに入っていってしまうのです。
売上というものは、販促で上げるものではありません。お客が欲しいと思う資産をあなたが持つこと、そしてその資産の量を増やすことで上げていくものなのです。(説明している意味が分からない人は、以下の参考記事をお読みください。)
これで「売れなくなった時には販促をしよう!」ということが間違いだと、完璧に理解できたでしょうか?
そもそも、販促をしてはいけない時に販促をするから、なかなか成果が出ないのです。お金を出して販促するのなら、それ以上のお金を回収できる成果を出さなければなりません。
だから、せっかく販促をするのなら、販促をした方が良い時に販促をしなければならないのです。
では、「販促をした方が良い時」とはいったいいつのことを言うのでしょうか?
これについては、次回の記事で解説していきたいと思います。
最後に…
これで、売れなくなった時に販促をすることがどれだけダメなことか分かりましたか? 世の中のコンサルタントが、どれだけ間違っていることを言っているのかが分かりましたか?
論理的に考えれば、とても簡単に分かることです。こんなこと、ふつうに考えれば分かることなのです。
売れない時には、あなたの会社やあなたのビジネスに何か問題があるわけだから、それを販促と称してお客に知らせても、まったく意味がありません。
なぜなら、ただ単にその問題点をお客に知らしめているだけですから。
販促をするのなら、ちゃんと成果につながるようにしなければなりません。わざわざ手間とお金をかけてやるのだから、それ以上のリターンがなければならないのです。
よって、リターンの取れる方法でやるようにしましょう。
このことをちゃんと分かっておいてください。また、そのやり方については、さきほども言ったように、次回の記事で解説していきたいと思います。