経営者としての正しい生き方を学ぼう…。経営者は経営理念を持つべきだ…。より自分を高める方法…。
経営者は、人格と人間性を磨くことが大切だ…。
世の中ではこういったことを解説するセミナーや書籍が数多くあります。そしてこれらにお金を払い、真剣に勉強している経営者も起業家も多いです。
しかし、実はこういったことを勉強する人ほど成功できません。「ほぼ例外はない」と言っていいほど、こういったことを勉強する人は失敗してしまうのです。
では、いったいどうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
これには明確な理由があります。
そこで今回の記事では、こういうことを勉強する経営者が失敗してしまう理由と、「じゃあ、いったい何を勉強すればいいのか」ということについて解説していきたいと思います。
このことが分かれば、ビジネスの失敗から避けることができ、より成功に近づいていくことができるのです。
失敗する経営者や起業家がしてしまう間違った勉強とは?
世の中では、経営者や起業家に向けて書かれた書籍やセミナーがたくさん開催されています。
その中には、もちろんまともなものもいくつかあるのですが、妙なものもたくさん存在しています。そして、その妙なことを学んでしまった人は、ほとんどと言っていいほど、成功していません。
また、もっと残念なことに、この妙なことの方が耳に気持ちが良いことばかりなので、その勉強に傾倒してしまう人が多いのです。
では、その妙なこととはいったい何でしょうか?
それが、最初の方でも少し触れましたが、以下のようなものです。
- 「経営者としての正しい生き方」
- 「経営者としての人格や人間性」
- 「経営者は経営理念を持つべきだ」
これらの勉強というのは、分かりやすく言うと、お客はほったらかしで経営者だけが喜ぶ勉強です。
たとえば前回の記事でも解説しましたが、失敗する経営者ほど「経営理念の作り方」などというものを勉強したがります。
しかしこれは、お客のことを無視した経営者だけが喜ぶ勉強です。そもそも経営理念というものは、勉強して出てくるようなものではありません。学んだからといって出てくるようなレベルの低いものではないのです。
経営理念というものは、ビジネスを成功させて自分が満たされた結果、自分や自分の周り以外のことを本気で考えられるようになった時に、「今、自分がいるのはお客のおかげだから、本当にお客のためになることをしよう!」と、自然と心から発生してくるものなのです。
よって、どれだけ必死に経営理念の作り方を学んでも、あなたがビジネスで成功していなければ、そんなものが出てくるわけがありません。
それなのに失敗する経営者ほど、大事なお客についての勉強は差し置いて、そういった経営者のためだけの自分が気持ち良くなる勉強をしているのです。その結果、お客のことはほったらかしになり、お客からはそっぽを向かれているのです。
間違っています。完全に間違った勉強をしているのです。
あなたが勉強すべきものは「経営理念の作り方」ではありません。お客がどのようなことを考えて生活をし、その生活をする中でいったいどのようなことに困っているのかということなのです。
つまり、あなたが勉強するべきものとは、お客の生活理念なのです。
このことは「経営者の正しい生き方」という勉強でも言えることです。こんなしょうもないことを学んでいる暇があるのなら、お客がどんな生き方をしていて、それに貢献するためにはどうすればいいのかを学ばなければなりません。
あなたの生き方など、はっきり言ってどうでもいいです。それはビジネスとは関係のないところで、勝手にすれば良い話なのです。人生はあなた自身のものなのですから。
ビジネスにおいて大事なことは、あなたの生き方ではなく、お客の生き方であり、そのお客にどうすれば貢献できるのかを勉強することが、経営者であるあなたがするべき勉強なのです。
経営者であるあなたは、以下のようなことを学ぶべきなのです。
- どのような商品ならお客は喜ぶのか、
- どのような価格ならお客は喜ぶのか、
- どのような立地ならお客は喜ぶのか、
- どのような提供方法ならお客は喜ぶのか、
- そして、これらを実現するためには、どのような方法があるのか、
- また、どのような技術が必要なのかを学ぶべきか。
あなたはこのすべての問いに答えられますか? あなたがお客に貢献するためには、いったいどのような技術が必要なのかをちゃんと答えられますか?
お客は、「できれば商品を安く買いたい」と思っていますが、安くするためにはどのような方法があるのか知っていますか? おそらく、あなたが知っている商品を安くする方法など、ビジネスをしていない素人でも考えられるレベルでしか知らないでしょう。たとえば、「原価を下げる」などというレベルの低い知識です。
このようなこともちゃんと学ばずに、いったい何が「経営者としての正しい生き方」なのでしょうか?
つまり、経営者主体の勉強をしている人は、お客のためになるような勉強は何1つしていないということなのです。「自分がどうあるべきか」や「経営者としてどうあるべきか」という、お客を完全に無視した自分勝手な勉強をしているのです。
だから、少しでも市場が厳しくなり始めたら、すぐに苦しんでしまうのです。これは、お客のことなど考えずに自分のことばかりを勉強していた当然の結果なのです。
年商が100億円にも達していない経営者が、「経営理念の作り方」や「経営者としての正しい生き方」などという経営者主体の勉強をしている暇など、どこにもありません。
これからの時代は競争がもっと激しくなり、厳しい時代になってくるのです。
あなたのビジネスは、お客に支持されなくなった瞬間に終わりがきます。その理由は、ビジネスというものは、すべてお客によって成り立つものだからです。
だからこそ、いい加減、経営者であるあなた自身の勉強はやめて、お客のための勉強をしなければならないのです。「経営者としての正しい生き方」や「素晴らしい経営者になるには」などというチンケなことを学ぶ暇など、どこにもないのです。
いつの間にか、経営者や起業家が特権階級のように思われ始めた…
では、いったいどうしてこのようなことが学ばれるようになったのでしょうか?
どうして、「経営者としての生き方」や「素晴らしい経営者になるには」などという経営者主体のお勉強がされるようになったのでしょうか?
もっと分かりやすく言うと、どうしてお客の考え方よりも、経営者の考え方を重視するようなチンケな勉強をし始めたのでしょうか?
それはいつの間にか、経営者や起業家という存在が特権階級であるかのように勘違いされ始めたからです。経営者や起業家が、まるで特別な存在であるかのように、勘違いされ始めたからなのです。
なぜかこの世の中では、経営者や起業家というだけで評価されるようになっていると思いませんか? 経営者や起業家というだけで、なぜか一目置かれるような存在になっていると思いませんか?
もちろん、時代の流れとしてこういった人たちが評価される社会になることは、大いにあって結構なことです。
しかし問題なのは、それを経営者や起業家がそのまま真に受けて、「自分はなにか特別な存在である。」と経営者自身が勘違いしてしまっているところなのです。
そして、「自分はなにか特別な存在である。」と思うからこそ、お客についての勉強をおろそかにして「経営理念」や「経営者として正しい生き方」などといった、くだらない経営者主体の勉強に入っていってしまっているのです。
1兆円を超える売上を上げているのならまだしも、100億円の売上すらも上げていない会社の経営者や起業家が自分のことを特別な存在だと思ってはいけません。
ただの普通の人間です。何もすごくありません。10億の売上しかなかったら、たったそれだけ分しかお客に貢献できていないのです。
ここではっきりさせておきますが、そもそも経営者も起業家も何もすごいことなどありません。職業として、たまたま経営者や起業家を選んでいるだけで、そこに特別なことなど何もないのです。
もちろんこのBizdomの著者である私も、私の師匠もただの普通の人間です。経営者の方に指導はしていますが、その辺にいる人間の一人なのです。世界中に存在する約70億人分の1人にしか過ぎないのです。
その証拠に、経営者であっても起業家であっても、みんな人間だからうんこをしますよね。もちろん、私もうんこをします。
また、私にいたっては、先日お腹を壊していることを忘れていて、おならだと思ってぐっと力んだら、パンツを汚してしまいました。
うんこをしようと思っていないのに、うんこをしてしまうという想定外のことをおかしてしまったのです。もちろん、そのパンツは誰にもバレないようにこそっと洗って、ビニール袋に入れて捨てましたが…。
経営者の方々はこんなあほなことはしないと思いますが、経営者に対してこういった情報を提供している私であっても、うんこをちびるということです。
少し話がそれましたが、つまるところ私が何が言いたいかと言うと、みんなただの人間であるということなのです。
このことを忘れてしまい、「経営者である自分は特権階級である」というように勘違いし、「経営理念」や「経営者として生き方」などといったチンケな勉強をするから、お客のことがまったく見えなくなるのです。
そしてその結果、お客にも社員にも愛想を尽かされてしまうのです。
本気でお客の立場に立って考えてください
本気でお客の立場に立てば、経営理念などといった経営者主体の勉強をしている暇など一切ないということに気がつけるはずです。それになかなか気がつけないのは、あなたが自分自身を ” 特別な存在だ ” と誤った認識をしているからなのです。
ビジネスにおいてすごいのは、起業家や経営者であるあなたではありません。お客です。経営者であるあなたではなくて、お客がすごいのです。なぜなら、あなたのビジネスを潰すのも成長させるのも、すべてお客だからです。
あなたの人格がどれだけ素晴らしくても、あなたの生き方がどれだけ正しくても、お客が欲しいと思う商品を、お客が買える価格で提供することができなければ、ビジネスは絶対に衰退していきます。
お客が「ダメ!!」と言った瞬間に、あなたのビジネスが終わってしまうのです。
それなのに、いったい何を見てあなたは商売をしているのですか? どこを向いてあなたは商売をしているのですか?
お客に支持されるかどうかによって、あなたのビジネスが伸びるか潰れるかが決まるのに、いったいどこを向いて商売をしているのですか?
あなたが見なければならないものは、あなたの生き方でも、経営者としてどうあるべきかでもありません。お客がどうなのか、お客がどう思っているのかというとこなのです。
つまり、あなたがビジネスにおいて勉強しなければならないことは、「経営理念」や「経営者としての正しい生き方」や「どうすれば売れるのか」という経営者の立場、または、売る側の立場の勉強ではありません。
「お客がどんな商品を欲しがっているのか。そしてそれは、どうすれば入手、集荷できるのか。また、入手した後はその商品にいくらの売価を付ければお客は買えるのか。そしてその売価で売るためには、いったいどういうオペレーションをすればいいのか。」
というお客の立場の勉強なのです。
「経営理念」や「経営者としての正しい生き方」などというお題目勉強など、今日からすべてやめて、お客のための勉強に切り替えてください。お客の生活理念の勉強に切り替えてください。
この転換ができなければ、これからの時代は絶対に生き残ることはできません。逆に言えば、この転換さえできれば今まで上手くいかなかった人も、成功することなどカンタンだということなのです。
実際に、師匠が指導している会社の経営者も、経営者のための勉強をすべてやめ、お客の立場に立った勉強に変え、あっという間に爆発的な伸びを見せています。
現在では、「ビジネスってお客の立場に立てば簡単ですね~。」と言ってしまうほどです。結局、お客の立場に立ってビジネスをすれば、成功することなどカンタンなことなのです。
最後に…
失敗する起業家や経営者というのは、いつも売る立場や経営者の立場でビジネスを見ています。その結果として、「経営理念」や「経営者としての正しい生き方」などといった訳の分からない勉強に入っていってしまうのです。
しかし、そんなものを勉強しても失敗するに決まっています。たとえ失敗はしなくても大きな成功を収めることはありません。なぜなら、お客の立場というものが完全に欠落しているという証拠ですから。
お客の立場に立てていないビジネスが伸びることなどありません。お客の立場を無視して成功できるほど、ビジネスは甘い世界ではないのです。
だから、経営者であるあなた自身の勉強をするのではなくて、お客の勉強をするべきだと、この記事ではもちろんのこと、このBizdomの中でも永遠と述べてきているのです。
先ほどは否定しましたが、自分自身を特別だと思ってもいいです。自分自身を特権階級だと思ってもいいです。しかしそれは、人生までにとどめておいてください。
ビジネスにおいては、その考え方は捨て去るようにしてください。そうしなければ、いつまで経ってもお客の立場に立つことができず、いつまで経っても成功することができないのです。
何度も繰り返しますが、ビジネスというものはお客がいて初めて成り立つものです。
だったら、あなたがやるべき勉強は、あなた自身の勉強ではなくてお客の勉強なのです。お客の勉強をした途端に、あなたのビジネスは成功します。お客の立場に立てるわけですから、失敗するわけがないのです。
本当に、お客の立場に立ってビジネスをしたいと思うのなら、ぜひちゃんとしたものを学ぶようにしてください。