販促をして売上を上げたい…。
販促をして売上が上がれば、困っていることが解決するはずだ…。
販促をしてでも売上を上げなければならない…。
過去の記事で、売上よりも利益が重要であるということや利益の出し方について詳しく解説しました。
また、以前の記事で販促の正しい方法について解説しました。
会社を生存させるために必要なものは、売上ではありません。利益です。厳密に言えば、利益から発生するキャッシュフローなのです。
たとえ売上がどれだけ取れても、荒利益よりも経費が高ければ会社は潰れてしまいます。
そしてまた、会社の成長に必要なものも売上ではありません。これも利益なのです。利益によって生まれたキャッシュフローで資産を買うことにより、売上を上げて成長していくのです
よって、会社の生存にとっても会社の成長にとっても、本当に必要なものは「利益(厳密に言うと、キャッシュフロー)」なのです。決して売上ではありません。
この大前提は、経営者や起業家なら絶対に知っておくべきことです。これを知らないだけで苦しんでいる人が数多くいるのですから。言っている意味が分からない場合は、以下の参考記事をしっかりと読んでみてください。
さて、話は変わりますが、以前の記事で販促の正しいやり方について解説しました。正しいやり方で販促を行えば、成果は出ます。
間違った方法で販促をしても余計に売れなくなるだけですが、正しい方法で販促をすれば、成果は出ます。
ただし、だからといって販促をすすめているわけではありません。基本的には販促などというものはとるべき対策ではありません。その理由について、今回の記事では解説していきたいと思います。
販促はするな!売上を取りに行っても意味がない!
以前の記事で「販促」についての解説をしました。だからといって、「販促をした方がいい!」と言っているのではありません。
世の中には、販促に対しての間違った認識が蔓延しており、あなたにも同じような間違いをしてもらいたくなかったので解説しただけです。基本的には、販促はするべきではないことです。
では、どうしてこのように言うのかというと、販促をして売上を上げることには、経営的な意味などほとんどないからです。もちろん、販促を行うことによって売上が倍増し、それに伴って利益も倍増するのなら意味があります。
しかし販促をすると、もちろんのことですがその分のコストがかかるのです。販促をすることで発生する代表例をあげておきましょう。
- 販売促進をする時のコスト、いわゆる販促コスト
- 販促による客数増によって増える販売コスト
大まかに言うと、この2つのコストが、販促をすることによってかかってきます。そしてこのコストが、経営にとって最も大事な利益を押し下げてしまうのです。
以前の記事では、「売上よりも利益の方が圧倒的に大事だ!」という話をしましたが、販促をすることよってその大事な利益が減ってしまう場合があります。
このことは、販促をやった人は分かると思います。販促をすれば、確かに客数が増えて多少の売上は上がります。しかし、その販促にかかった販促費と販売コストを回収するだけの売上を取れないのがオチなのです。
販促というものはほとんどの場合、このような結果になります。「販促して、売上が少し上がったのはいいが、結局はお金が残っていない…」という状態になってしまうのです。
これはすべて、「売上を上げればどうにかなる!」という経営者の間違った認識によって起こることです。そして、その間違った認識のせいで、世の中には販促を指導するコンサルタントが、そこら中に蔓延しているのです。
そして、そのコンサルタントにたくさんのお金を払っているのが、成功できない中小企業の経営者たちなのです。わざわざお金を払って、上がりもしない売上を上げようとし、結局は利益を減らして苦しんでいるのです。
販促を指導するコンサルタントは、販促についてはプロかもしれません。だからといって経営のプロかと言えば、そうとは限りません。
なぜなら、販促のためにコストを使い、経営にとって本当に大事な利益が下がることに対しては、何も言及しないからです(知っていても、それを言えばお金を取れなくなるから言いません)。
そんな人に教えられたら、販促によって売上は確かに上がるかもしれませんが、経営にとって最も重要な利益は上がりません。その結果、会社としての成功も成長もできなくなってしまうのです。
売上というものは、販促をして上げるようなものではなく、お客が欲しいと思う資産をあなたが持ち、その資産の量を増やしていくことによって、勝手に上がっていくものです。
そのために必要なものが、その資産を買うための「お金」です。そして、その「お金」を生み出す源泉こそが、利益なのです。だから、本当に売上を上げたければ、利益を出すことの方が大切なのです。
このことが理解できない場合は、以下の記事を参考にしてください。
販促は、お客にとって大迷惑です!
ここまで説明してきたことで、販促をすることによって売上を上げることは「経営としてはあまり意味がない」ということが分かったと思いますが、ちゃんとお客の立場に立っていれば、より重要なことが分かるはずです。
では、その ”より重要なこと”とは何かと言うと、そもそも販促をした時にはコストがかかるのですが、「その販促に伴うコストは、いったいどこで回収するのですか?」ということです。
言っている意味は分かりますか?
販促をする際には、販促費やそれに伴うコストがかかるのは分かりますよね。そうすると、そのコストはどこかで回収しなければならないことになります。
じゃあ、そのコストはいったいどこで回収するのですか?
もっと正しい言い方にかえると、そのコストはいったい誰から回収するのですか? あなたが販促のために使ったコストは、いったい誰が負担するのですか?
「お客」です。あなたではありません。お客がその販促コストを負担するのです。
販促をすることによって、余分なコストが発生します。そのコストを回収できる相手は、お客しかいません。だから、そのコストを売価に加え、より高い値段で売ろうとしてしまうのです。
自分が売りたいがために、妙なコンサルタントに多額のお金を支払い、せっかく買ってくれるお客からそのお金を回収することなど言語道断です。
そんなことをするから、お客からは「ここは高いな~。」と思われて、愛想をつかされるのです。販促などにお金をかける余裕があるのなら、その分、売価を下げることの方が本当のお客のためになります。
売価も下げずに、「販促して何とか売ろう!」というのは、「お客のことは何も考えていない」という確固たる証拠です。そんなお客のことを考えていない会社が、お客からの支持を受けることなどありません。
お客にとっては、「売価が高い」ということは致命的なことです。2014年4月におこなわれた消費税アップが、そのことを物語っています。消費税がたった3%上がるだけで、あれだけのお客が動くのです。
つまり、販促などというものよりも、価格が下がることの方がお客にとっては重要なことであり、魅力的なものなのです。
だったら、お金をかけて販促するくらいなら、そのかかっていた経費の分だけ売価を落とす方がお客のためになるのです。そして、お客のためになるからこそ、お客が動き、売れ始めるのです。
これが事実です。お客が欲しいと思わない商品や、お客が欲しいと思わない価格で商品を提供しておきながら、販促というテクニックを使ってお客を集めようとしても、そんなことは実現しません。
これは当たり前のことです。それなのに、妙なコンサルタントがこの事実をおもいっきりねじ曲げて、経営者からふんだんにお金を取るのです。
結局、お金をかけて販促をして喜ぶのは、経営者であるあなた自身と、それを教えるコンサルタントだけです。決してお客ではありません。そんなお客以外が喜んでいるところに、お客が来るわけがないのです。
要は、販促というものは、経営者やコンサルタントの自己満足であるうえに、値段が上がる行為なので、お客にとっては大迷惑なものだということなのです。
最後に…
販促というものは、お客にとっても会社にとっても良いものではありません。お客にとっては売価が高くなるし、会社にとってはコストがかかって利益が減ってしまうのです。
もちろん、売上が倍増し、利益も倍増するならやるべきですが、ほとんどの場合はそのような結果にならないのです。よって、販促というものはほぼ無意味な行為なのです。
だから、販促をおこなって売上を上げようとする行為は基本的にはオススメしていません。
ビジネスにおいての重要なテーマは、あなたの売りたい商品を「どう売るか?」ではありません。お客のために、「どんな商品を、いくらで売るのか。」です。このテーマを無視して、どれほど素晴らしい販促をしても、お客に支持されることはありません。
ビジネスにおいて大事なことは2つのことです。
- お客が欲しいと思う商品をあなたが持つこと
- その商品をお客が買える価格にすること
この2つさえ実現できれば、あとは販促などしなくても告知さえすれば、お客から勝手に支持されるようになります。
販促のような売る努力をしている暇があるのなら、お客の欲しい商品がいったい何かを知る努力をしてください。そして、それをどうすれば仕入れられるのか、または、作ることができるのかということに努力の方向を向けてください。
それが、ビジネスを成功させるための第一歩なのです。