自分を変えればビジネスは成功する!という真っ赤な嘘

2015-11-15

 約 11 分

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ビジネスで変更すべき所

自分が変われば、周りが変わる…。自分が変われば社員が変わり、すべては上手くいく…。

自分を変えることが何よりも簡単…。自分は変え放題…。

自分を変えることによって、ビジネスは上手くいく…。

このようなことを指導するコンサルタントや書籍が世の中には溢れています。そもそも、ビジネスを教えるはずのコンサルタントや書籍が、こんなことを教えている時点で、日本の経済も終わりに近づいてきていると言えます。

結論からはっきり言わしてもらうと、「自分を変えればビジネスは成功する!」などということはありません。こんな嘘を信じて、「自分を変える方法」などという妙な勉強をしている経営者や起業家が多すぎるのです。

そこで今回の記事では、どうして「自分を変えればビジネスは成功する!」というものがダメなのかを解説していきたいと思います。

あなたが変わることと、ビジネスが成功することには何の因果関係もない

そもそも、「自分を変えること」と「経営やビジネス」 との間には、何の因果関係もありません。

では、どうしてそう言えるのでしょうか?

正直に言って、このことについては当たり前すぎることなので、非常に解説しづらいのが事実です。当たり前すぎて、否定する理由さえも見当たりません。

まるで、「人間はなぜこのような姿に生まれてきたのか?」と問われている感じがするのです。当然、このような問いへの答えは、「そのような姿で生まれてきたから」というものになっています。

「自分を変えることとビジネスの成功との間には何の因果関係もない」という理由は、「どうして人間が人間という姿に生まれたのか?」という理由を聞かれていることと同じレベルなのです。

それに対してはもう、「当たり前です」としか言いようがないのです。

しかし、それだけでは説得力に欠けてしまいますので、どうして「自分を変えること」と「ビジネス」との間には因果関係がないのかを解説していきましょう。

ではさっそくですが、次の問題に答えてみてください。

【問い】

ある社長は、潰れかけた八百屋を経営していました。その八百屋は町からはずれた所に立地しているせいで、1日の来店客数は10名でした。この社長はなんとしてでも売上を上げたいと思っているのですが、その対策として最もふさわしいものはどれですか?

  1. 自分を変える
  2. 接客や笑顔を強化する
  3. 立地を変える

⑴、⑵、⑶のどれが正解か分かりますか?

もちろん、⑶の「立地の変更をする」です。こんなもの、カンタンですよね。少し頭の良い小学生でも分かります。そもそもお客のいない場所に出店しているのだから、お客がいる所に立地を変更すれば良いだけの話です。

立地を変更せずに自分を変えても、結果は何も変わりません。なぜなら、あなたがどう変わっても、お客がいない立地というものは変わらないのですから。

これだけではまだ納得いかない人もいると思うので、次の例にいきましょう。

ユニクロの柳井正は自分を変えたからビジネスで成功できたのか?

ユニクロを中心に、アパレル事業の出店を進めているファーストリテイリング社は、連結の売上高で1兆円を超え、世界第4位のアパレル企業になりましたが、これはあの柳井正社長が、「自分を変えた」 から達成できた数字でしょうか?

そんなわけがありませんよね。彼が自分を変えたからではなく、お客が欲しい商品を、お客が買える価格で提供したからこそ、この数字を達成したのですよね。

もし、彼がどれだけ自分を変えたとしても、お客が欲しい商品を、お客の買える価格で提供していなかったら、絶対にこの数字は達成できていません。たとえ自分を変えたとしても、お客が商品を買わなければ、絶対にこの数字は達成できないのです。

つまり、これがどういうことを意味するのかと言うと、ビジネスが成長するための要素として「自分を変える」などというものは、何一つとして入っていないということなのです。

もし本当に、自分を変えることによってビジネスの成功が見込めるという論理が成り立つのであれば、自分を変えることができた人間は、たとえ山奥で下駄屋をやっていても成功することができるはずです。

しかし、山奥で下駄屋をやってもビジネスが成功することなど、地球が止まってもあり得ません。だとすると、やはり自分を変えることと、ビジネスでの成功との間には、何の因果関係もないということになるのです。

そもそも、「自分を変える」という行為自体、あなた自身の問題です。自分を変えることというのはあなただけの問題であり、それはお客にとっては何の関係もないことなのです。

Bizdomでは何度も解説していますが、ビジネスというものはお客がいてはじめて成り立つものです。あなたが自分を変えたければ勝手に変えていればいい話で、それは決してお客に関係のないことなのです。

では、お客にとって関係のあることとは、いったい何なのでしょうか?

言うまでもなく、こんなことは分かりますよね。お客にとって関係のあることとは、お客が商品を購入する際に関係することです。

それは商品であり、商品の品質であり、商品の量であり、商品の売価であり、商品の見せ方であり、立地であり、売り方なのです。

これらがお客にとって良いものでなければ、あなたが自分自身をどう変えようとも、ビジネスが上手くいくことは絶対にありません。

あなたが「自分を変えたい!」と思うのなら、勝手に変えていればいいだけの話です。でも、それはあなただけの問題であって、お客には全く関係のないことだということは、分かっておかなければならないのです。

あなたが自分を変えたとしても、お客にとって重要な商品、売価、品質、量、見せ方、立地、売り方、提供方法などが、お客の求めているモノに合致していなければ、売れることはありません。

つまりこれは、お客にとって重要なことは、商品に関することやそれを買うための媒体であって、あなたが変わることではないというれっきとした証明なのです。

よって、あなたが変えなければならないのは商品であり、売価であり、品質であり、量であり、見せ方であり、立地であり、提供方法であり、売り方などです。

ビジネスとはお客がいて初めて成り立つものですから、商品や売価や立地のような、お客と直接的に関係があるところを変えるべきなのです。

冷たいことを言うようですが、あなたに自分を変えている暇な時間などどこにもありません。あなたは経営者なのです。あなたは起業家なのです。

経営者や起業家は、お客に貢献することによってのみ、ビジネスを成長させていくことができるのです。

とすると、あなたが考えなければならないことは以下のようなことです。

  • 商品をどう変えればお客に貢献できるのか
  • 売価をいくらにすればお客に貢献できるのか
  • どんな立地ならお客に貢献できるのか
  • どんな売り方ならお客に貢献できるのか、など

経営者や起業家は、こういったことに対して、時間をひたすら使うべきであって、「自分を変える」などというトンチンカンなことをしている暇など、どこにもないのです。

それなのに、「自分を変える方法」などといった勉強に時間とお金をかけている人が多すぎるのです。

こんなことを勉強している経営者はもはや経営者とは言えません。どちらかと言えば、宗教家と言った方が正しいでしょう。なぜなら、「自分が変われば……」という思想こそ、そもそもヒンズー教の教えであるからです。

ビジネスと宗教は全くもって違うものです。宗教というのは人間の勉強であって、ビジネスの勉強ではありません。あなたがお坊さんになりたいのならそれで良いですが、あなたがなりたい姿は、決してお坊さんではないはずです。

つまり、経営者で自分を変える方法などを学んでいる人は、なりたい姿とやっている勉強が全く違うということなのです。もっと分かりやすく言うと、勉強すべき対象を間違えてしまっているということです。

意識が変われば行動が変わる、行動が変われば結果が変わる?

このように言うと、「意識が変われば行動が変わる。行動が変われば結果が変わる!」ということを言いだす方がたくさんいます。

しかし、なぜ意識を変える必要があるのでしょうか?

  • 意識など変えずに、お客のために商品を変えれば良くないですか?
  • 意識など変えずに、お客のために立地を変えれば良くないですか?
  • 意識など変えずに、お客のために売価を変えれば良くないですか?

たとえば、あなたが買い物をするときに予算が2万円だとします。その2万円の予算で靴を買うとします。そして、気に入った靴が3万円だったとしましょう。つまり、1万円の予算オーバーということです。

この場合、あなたはどのようにすれば買いますか?

この靴を販売している経営者が、自分を変えたら買いますか? 買いませんよね。予算が2万円なのですから、その時点で予算を1万円オーバーしているので買いません。

じゃあ、どんな時に買いますか?

当然、あなたの気に入った靴が2万円になった時です。だとすると、3万円の売価を2万円にするだけでこの靴は売れるということです。

では、売価を3万円から2万円にすることに、意識を変えるというような、たいそうなことをする必要があるのですか? 意識を変えれば、売価を1万円下げられる人間になることができるというのですか?

違いますよね。

売価を1万円下げることなど、意識を変え、行動を変えてするようなたいそうなものではありません。だって、売価を1万円下げることなど、「売価を1万円下げる!」と決めれば、カンタンにできることなのですから。

このように言うと、「でも、売価を1万円も下げたら利益が出ません。むしろ赤字になります!」と思いますよね。

そこなのです。あなたが行動できない理由は、本当はそこにあるのです。意識を変えていないからではありません。行動を変えていないからではありません。そんな曖昧なものではなく、数字として明確に分かるような理由で、行動できないのです。

では、このような時はどうすればいいのかと言うと、たとえば今回の場合、売価を1万円下げても利益が出るような仕入れのやり方、オペレーションのやり方をすれば良いのです。

意識を変えれば行動が変わるから、意識を変える努力をするのではなく、売価を1万円下げても利益が出るような仕入れのやり方、オペレーションのやり方をすることによってはじめて、売価を1万円下げるという行動ができるのです。

よって、あなたがしなければならないことは、意識を変えて行動を変えることではなく、お客が2万円という売価で買っても、ちゃんと利益が出る構図(仕入れ、オペレーションを含め)を作ることなのです。(もちろん、今回の場合はこの形であるだけです。)

そして、この利益が出る構図(仕入れ、オペレーションを含め)を実現するためには、いったい何をすればいいのかということを勉強することが、経営者であるあなたがやらなければならないことなのです。

どれだけ意識を変えて、行動を変えることができたとしても、2万円の売価で利益が出ない構図では、絶対に売価を下げることはできません。

だから、あなたが努力すべきことは、自分や自分の意識を変える努力ではなく、お客のために売価を変え、その売価でも利益が出るようにするための方法を知ることなのです。

これは必ずしも売価の話ではありません。

問題は、あなたが自分を変えることではなく、自分がお客のためにいったい何をすれば良いのかを分かっていないことなのです。何をすれば良いか分からないし、何を勉強すれば良いのかも分からないから、とりあえず「自分を変える!」といった勉強をしているのです。

つまり、お客のために何をやってあげれば良いのかが分からない勉強不足を、「自分を変える方法」を勉強することで、ごまかしているのです。

自分を変える努力など、経営努力とは言いません。お客のために、お客にとって重要なところを変えることこそ、経営努力と呼ぶのです。

あなたは本当の経営努力をしていますか? 自分を変える方法などといった訳の分からない書籍を買って、自分勝手な努力をしていませんか?

経営者がするべき努力は、自己満足な努力ではなく、お客のためにする努力なのです。今回の場合、売価について書きましたが、立地も売り方も商品についても一緒のことです。

あなたの意識を変えたり、自分を変えたからといってビジネスが上手くいくことはありません。あなたが変わることと、ビジネスが上手くいくことには何の関係もないのです。

ビジネスとはお客によって成り立つものですから、あなたが自分を変えるのではなく、お客のために商品を変え、売価を変え、立地を変え、品質を変え、売り方を変えた時に、ビジネスは上手くいくのです。

  • あなたは変わらなくていいからお客のために商品を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために売価を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために立地を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために品質を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために価格を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために売り方を変えて下さい。
  • あなたは変わらなくていいからお客のために提供方法を変えて下さい。

大事なことは、あなた自身が自分を変えることではなく、お客の立場に立った時に重要なことを変えることなのです。

このことを忘れないでください。また、決して間違った勉強はしないようにしてください。

最後に…

「自分を変えればビジネスは上手くいく!」ということが真っ赤な嘘であることは分かりましたか?

たとえあなたが自分を変えたとしても、お客が商品やサービスを購入する際に、お客に直接的に関係のあることが変わっていなければ、ビジネスが上手くいくことはありません。

これは、本当に当たり前のことなのです。

この事実をねじ曲げまげてしまうのが、世の中の訳の分からないコンサルタントであり、訳の分からない書籍です。こんな間違ったことを学んでいる限り、あなたのビジネスが日の目を見ることはありません。

その証拠に、今まで自分を変える努力を続けてきたあなたのビジネスは、上手くいっていますか? おそらく上手くいっていませんよね。だからこそ、この記事を読んでいるのです。

ビジネスにおいて大事なことは、自分を変えることではなくて、お客のために商品を変え、売価を変え、品質を変え、立地を変え、量を変え、売り方を変えることなのです。もっと言えば、商売さえも変えることだって必要になってくるのです。

自分を変えるなどというチンケな努力をしている暇があるのなら、お客のためにこそ、もっと重要なものへの努力をしましょう。それこそが、本当の経営努力というものなのです。

最後にもう一度、言っておきましょう。

「自分を変えればビジネスは上手くいく!」などということは真っ赤な嘘です。本当のことを学んでください。

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